UP-DATE:2021.11.23(Tue.)

  ●押し出しジントリックの練り直し版の企画書です。タイトルは考えている時間が無かった為、『スライムウォーズ(仮称)』のままです。

    新人のプランナーの企画書から残っているのは、『数色のスライムを使って横画面で対戦する』要素のみですが、
    これは社長からのアイディアらしいので、外せなかったというのが理由です。



  ●この頃、ADKでは『一般客』という単語が頻繁に使われていましたが、自分はその存在を疑問視していました。
    ゲームセンターにはマニアと初心者のどちらかしかいない、いわゆるドーナツ化現象みたいな状態で、
    都合の良い『一般客』等、いないのではないか的に考えていたんです。
    それが[ターゲット]欄の括弧内に1段小さな文字で打たれている文面です。

    ADKにはパズルゲームを作る体制が出来ていない事は新人の企画書の際に書きましたが、
    それに対し、釘を刺しているのが、[ポイント]欄の一番下の文字列です。


  ●簡易フローです。与えられた期限も短かかったので、細かく書くのは思いっきり端折りました。
    プレゼン時の説明で質問が出た際に口頭で答えればいいや、と考えていましたね。



  ●ストーリーです。北欧神話を題材にしたのは、『ぷよぷよ』の西洋風RPGの路線とは変えたかったからです。
    最終的なものに比べて、だいぶシリアスです(w)。



  ●レイアウトはクロッキー帳にマスをミリペンで描き、そこにレイアウトを鉛筆で描きました。
    タイムオーバーが無いのに、画面上部にタイムを入れたのは、プレイヤーを焦らせる効果を狙ったものです。
    とにかくタイムがあると、ゲームっぽく感じられますからね。





  ●もう、ワープロの文字を切り張りする時間がもったいなくなり、ここから先のページは、手書きです(w)。
    大まかにゲーム概要と、前のページのゲーム画面の説明が書かれています。



  ●細かいルール説明となります。ここから先、暫くのページは、考えながらまとめていたクロッキー帳のコピーです。
    とにかく勢いで書きまくり、あとはプレゼン時の説明に頼ろうとしている事が良く分かります。


  ●石と休眠スライムは、この時点から存在していました。
    のちに目覚ましスライムはシーラ・フレイのアイテムとして、百貫スライムはロキのアイテムとして使われます。


  ●自陣のスライム押せる法則です。
    相手の陣地を狙って押せるゲーム性の為に、墓穴連鎖が起こる事も想定していました。



  ●通行止めシステムの説明です。
    狙った所が押せる為に、スライムが陣地を超えたら決着がつくと、すぐにゲーム終了となってしまいます。
    それではつまらないので、ピンチになりつつも逆転が狙えるシステムとして考えました。

    ただ、そのシステムの欠点として、お互いが直接攻撃出来ない不干渉エリアが生まれてしまいます。
    それを予め提示しておく事で、解決方法を先延ばしになるようにしました。
    自分としては、元々の新人プランナーに委ねる気まんまんでしたが、まさか自分が苦しむ事になろうとは、
    この時は予想だにしていませんでした(w)。


  ●のちのアイテムの元となるアイディアです。



  ●前のページの補足説明です。
    『押し出しスライムA』のアイディアは、のちにダーク・スナイパーのアイテム『闇夜のカラス』に転用されます。



  ●補足説明2です。



  ●補足説明3です。
    『兄貴スライム』は仕様を変えてサブバーグのアイテムに、『おやすみスライム』はフェンリルのアイテムの元となります。
    また、『爆裂究極スライム』の存在が、のちに隠しキャラとして『ニンジャコマンドー』のリュー・イーグルの登場につながります。



  ●補足説明4です。
    『修羅イム』はダジャレです(w)。完全にネタに走っていますね。この辺りでプレゼンが飽きてくる頃で、
    笑いのひとつも取っておこうとしたのでしょう。



  ●ここから先はキャラクター案です。
    巨人族のサブバーグ (※この時点での名前は『兄貴』) のラフスケッチです。
    ポーズは、『北斗の拳』のユダの初登場シーンを参考にしています。



  ●伝説獣のピューキーのラフスケッチです。



  ●トロル族のギムリ (※この時点では『智将』、のちに『闘将』に変更) のラフスケッチです。



  ●ヴァナ神族のシーラ・フレイのラフスケッチです。


  ●死者の世界・ニブルヘイムの代表には『ラギ』のダーク・スナイパーを持って来ました。
    胸の傷はブルーとの死闘の際に付いたという設定です。

  ●悪神ロキのラフスケッチです。


  ●ロキの長男のフェンリルのラフスケッチです。


  ●ロキの次男のヨルムンガンドのラフスケッチです。
    ロキ、フェンリル、ヨルムンガンドは、それぞれ甕 (かめ) の中に封印されていましたが、何者かがその封印を
    解いたが為に復活したという設定です。
    ロキもフェンリルも甕から出ましたが、ヨルムンガンドだけそこの居心地が良かったと感じていた為、
    頭のみ出し、巨大な胴体は甕の中に納めている状態です。



  ●ロキの長女のヘルのラフスケッチです。



  ●エルフ族のルーシャのラフスケッチは、新人の小林雅世さんにお願いしました。
    何体か描いて頂き、その中で1番しっくり来たものを選びました。

    尚、この時点では伊賀の鷹ノ目どころか、人間界ミズガルズの代表は考えていませんでした。



  ●スライムのデザインは与えられた時間ではデザインが出て来ませんでした。
    と言うか、実作業3日では出て来ないだろうと、ハナから放棄していたフシがありましたね。
    これも新人プランナーへの課題としておこう的に正直考えていました。
    『ぷよぷよ』にも『ドラクエ』にもならずに、魅力的なスライムのデザインなんて、そうそう出て来ませんから。


  ●墓穴連鎖を説明する際用の資料として用意したページです。
    2Pが1P側を軽く押したが為に、1P側で連鎖が発生し、2P側がダメージをくらってしまうのを図解したものです。


  ●次のスライムが何から出て来るかのアイディア出しです。
    会議の結論としては、『キャラクターごとに違ったっていいじゃないか』という面倒くさいものに決まりました。



  ●まだ決めかねていた部分なので最後に回していますが、『特殊スライム』を『アイテム』とするアイディアも、
    絵コンテとして用意しておきました。
    また、ここで描いたスライムが、当面のデザインの路線ともなりました。



  ●最後のページには、タイトル名称案を羅列しました。
    『スライムウォーズ』が、どうもしっくり来なかったので、会議出席者に決めてもらおうと思ったんです。
   
    で、結果は、その場で『押し出しジントリス』に決まりました。
    しかし、商標登録の段階で『ジントリス』が『陣取り』の複数形に過ぎないので取れないという事になり、
    『陣取り』とトリッキーなゲーム性の『トリック』をくっつけて『押し出しジントリック』となりました。
   
   
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